本記事では最大1億円の設備補助が受けられる「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」の採択事例をご紹介します。
ご紹介する事例は、東京都中小企業振興公社が公式HPで公開しているものを、分かりやすく業界別に要点をまとめたものです。
公式HPで公表されている事例を知ることで、どのような事業が採択されるかが理解できます。
本補助金は助成額が大きいだけに難易度が高い補助金ですが、高度な設備の導入を検討している製造業・印刷業の事業社様にはおすすめの助成金で、弊社では毎年1億円枠の採択支援実績がございます。
随時ご相談も承っておりますので、まずはお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
事業内容
本補助金は、変化・変革に正面から向き合い、先端技術を活用して持続的発展を目指す中小企業者等が、更なる発展に向けた、
- 競争力の強化
- ゼロエミッション強化
- 賃上げ促進
- デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
- イノベーションの促進
- 後継者による新たな取り組み
を一部補助補助するものです。
※補助金の詳しい内容はこちらの記事にまとめているので、あわせて参照ください。
本記事で紹介する事例は、東京都中小企業振興公社で公表されている成功事例を、業種別にわかりやすくまとめたものです。
💡弊社で支援し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進で採択された個別事例についてはこちらの記事を参照ください。
印刷業界の採択事例紹介
事例①高付加価値パッケージ印刷
【既存事業】
- 高級化粧品や高級洋菓子のパッケージ印刷
- 独自の色を作り出す「調色」に強みあり
【課題】
- 付加価値を高める高度な二次加工が求められるようになってきた
- 引き合いがあった表面にやわらかい感触と凹凸がある刺繍のような高付加価値パッケージを、自社生産するための設備投資が必要
【解決策】
- 導入設備:H-UV印刷機(小森コーポレーション製)菊半裁4色オフセット枚葉印刷機GL-429
- 熱を出さない印刷機を導入すること、従来の印刷機のように紙から水分が抜けて伸縮するのを防ぎ、高度な二次元加工や立体造形が表現可能になった
出典:東京都中小企業振興公社HP
金属加工業界の採択事例紹介
事例②設備不足を解消
【既存事業】
- 重機やバス車両、OA機器など、さまざまな部品の金属プレス加工
【課題】
- 高度加工や加工対応範囲の拡大に関する要望が増加しているが、設備不足で対応できない
【解決策】
- 導入設備:新型プレス機TP110FX(アマダ製):シングルクランクプレス。抜き、曲げ、絞りなどの単発加工から順送などの自動化まで、高い汎用性で使用が可能。ISO13849、構造規格にも準拠
- 従来のプレス機で書けられる圧力15-80tと比較し、導入設備は110tまで負荷をかけられるので、より厚みのある金属板の加工や、最新のデジタル加工を施すなど付加価値の高い部品製造が可能になった
- 従来の仕事に加え、新たな販路獲得にも成功。売上も増加した
出典:東京都中小企業振興公社HP
事例③オーダーメイド設備の導入
【既存事業】
- パソコンなどの電子部品、自動車分品などのめっき加工
【課題】
- 敷地面積や稼働時間の制限などが生産性のボトルネックとなっている
- 都市型製造業ならではの課題に対応
【解決策】
- 導入設備:オーダーメイドの大型自動亜鉛鍍金ライン設備
- めっきをつける金属を浸すためのめっき層の深さが最大の特徴。従来の60cmよりも深い1.6mにし、地価が高く、平行に工場を拡大できない都市型製造業の課題を克服
- 生産ラインの生産性を向上させることで、都心ならではの夜間の製造制限の課題に対応
- 設備導入後、コスト削減、売上アップに成功
出典:東京都中小企業振興公社HP
事例④ロボット導入の事例
【既存事業】
- パイプ加工(自動車、医療機器)、半導体製造装置の金属加工
【課題】
- 新事業に着手したいが、パイプ加工は時間と人手がかかってしまう
- 加工ノウハウがあるが、ロボット導入はまだだったので、助成事業に着手を決意
【解決策】
- 導入設備:ロボット4台
- 今まで1個流しの単純作業が、ロボット導入後は無人で5時間連続運転ができるようになった
- 作業員が単純作業から解放され、スキルアップや多能工化に成功
- 作業員の個性を活かせる製造環境の構築に成功
出典:東京都中小企業振
事例⑤IoT活用の事例
【既存事業】
- プラスチック加工に特化
- 新素材や加工精度が求められる部品製造
- 半導体装置部品や液晶パネル、航空産業の部品など
【課題】
- 半導体需要の増加に伴い受注量が増加したが、設備が旧式のため、競合他社と価格競争に負けてしまい、受注数が減少してしまった
- 設備の稼働状況の把握も手集計だったので、生産工程以外の作業に時間をとられている
【解決策】
- 導入設備:マシニングセンターとモニタリングソフトウェア
- マシニングセンターを導入することで、生産性が向上。半導体需要に対応できるようになった
- モニタリングソフトウェアを導入することで、稼働状況の分析、ボトルネック工程の把握ができ、より良い人材育成につながった。
出典:東京都中小企業振
事例⑥精密部品メーカー
【既存事業】
- 空調機器、医療機器、デジタルカメラなどの精密部品の加工
- 高精度大量生産が強み
【課題】
- 近年需要が増加していた電動弁用部品に対応する必要性がある
- 顧客にニーズの多様化が進んでいるのか、新製品の開発を行うことになり、プログラム制御できる設備の導入が必須であった
【解決策】
- 導入設備:ツガミ製 CNC自動旋盤(B0126-Ⅲ)2基、ツガミ製 CNC自動旋盤(B0206-Ⅲ)2基、タイセイクリンケミカル株式会社製 全自動横型3槽式自動洗浄機 1基
- 新製品の依頼に対して、高精度で満足のいく製品を提供できるようになった
- エアコン電動弁用部品と新製品の増産を同時に達成
- ボトルネックを解消し生産体制の強化に成功。売上個数が1万個から月4~5万個へ
- 技術の高付加価値化を果たし、売上3倍増、営業利益5倍増を達成
出典:東京都中小企業振興公社HP
事例⑦医療機器向け部品製造
【既存事業】
- 金属薄板を切断し、加工を施す精密板金やプレス・金型製作・組立などを行っている
- 金融機関のATMやOA関連機、医療機器などの分野の部品を製造
【課題】
- 近年では高精度な加工が要求され、医療検査機器の引き合いが増加している
【解決策】
- 導入設備:ACサーボ・ベンディングマシンFMBⅡ-3613(アマダ製):ネットワーク対応型(36t)
- 加工精度が工場し、医療分野の受注を全体の約半分にまで大きく伸ばすことに成功
- 生産量が約2倍の拡大し、売上高も約3倍増になった
出典:東京都中小企業振
専門メーカーの採択事例紹介
事例⑧空調・防災用ダンパー専用メーカー
【既存事業】
【課題】
- 防災用ダンパーは用途によって要求される機能が異なるため、カスタマイズ提供が多い
- 防災用円型ダンパーという自社独自のアイディアを形にするため、設備導入が必須
- 現状の体制では作業負荷が多く、生産性が低くなっていることが課題
【解決策】
- 導入設備:防災ダンパーの成形機 株式会社オーディーエム社製 ダンパー半丸ビード成形機(型式IR-01)
- 現場の負担を大幅に低減(従来3名で対応していた工程を1名でも可能に)、コスト削減、品質向上、生産性25~30%増を実現
出典:東京都中小企業振興公社HP
事例⑨医療器具専門メーカー
【既存事業】
【課題】
- もともと手作業が多い多品種少量生産のため、機械化が難しかった
- 手術器具の新しい開発案件の引き合いが増加しているものの、現状の設備では対応が難しい
【解決策】
- 導入設備:トラウプ/インデックス社製CNC自動旋盤
- 導入設備は運動自由度が高く、高度な三次元加工が可能でプログラムできる幅が広いので、今まで3台の機械を使って製造していたものが、1台でできるようになった
- 新たな医療器具の生産を可能にし、年間売上1億円増に成功
出典:東京都中小企業振興公社HP
事例⑩エアーブラスト装置製造
【既存事業】
- エアーブラスト装置の製造(自動車やスマートフォンなどの製品に使われている表面化工法)
【課題】
- 用途が幅広く、今後も成長ができるエアーブラストの分野で多様化するニーズに対応
【解決策】
- 導入設備:ファイバーレーザー OPTIPLEX3015 FIBERⅡ4.0kw(ヤマザキマザック製):世界標準のレーザ加工機、プレスブレーキ BH18530(村田機械製):デュアルドライブプレスブレーキ
- 世界水準のレーザー加工機を導入することで、今まで3人で担当していた工程が1人で済むようになった
- 生産量が以前より2~4割増加し、残業の削減に成功
- 消費電力も従来体制と比較して1/10ほどに削減
出典:東京都中小企業振興公社HP
木工業界
事例⑪設備導入による省力化・従業員高齢化への対応
【既存事業】
【課題】
- 2021年に先代社長急死に伴い、事業継承が必要となった
- 工場の従業員の高齢化
- 顧客の要望の多様化
【解決策】
- 導入設備:エッジバンダー、高周波プレス、自動プレス機
- エッジバンダー:作業工程の省力化が実現
- 高周波プレス:8時間の作業時間が2分へ大幅に削減できた
- 自動プレス機:重い設備の設定作業が省略され、従業員のケガのリスクも大幅に削減できた
出典:東京都中小企業振
セキュリティサービス業界
事例⑫ロボット導入による一部無人化で高セキュリティの実現
【既存事業】
【課題】
- 重量物を扱うため、若い人材が必要だったが、そのためには労働環境の改善が必要だった
【解決策】
- 導入設備:AGV 容器の搬送ロボット、容器の機能・外観検査AIシステム、段ボールのX線検査装置と移動装置
- 容器の搬送ロボットは工場のDX化促進のほか、人の情報への接触機会を大幅に削減できた
- AIで点検作業が90秒で完結し、不良容器のより分けを確実に実施可能に
- 段ボールのX線検査装置により、段ボールを開封することなく安全に粉砕機へ投入できるようになった
出典:東京都中小企業振
高額な工作機械・産業機械・ITシステムが必要となる、製造業の方はぜひご検討ください
本記事では印刷業者様の事例をご紹介しましたが、本補助金は、食品加工・機械製造・電子機器製造・金属加工・樹脂加工・木工・家具製造・伝統工芸等の製造業・印刷業の事業者様等多方面に広くおすすめな補助金です。
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