1. home
  2. 補助金ニュースInformation

2023.12.08

令和6年度に新設予定!ものづくり補助金省力化枠・省力化補助金について解説

政府の令和5年度補正予算案には、ものづくり補助金も含む中小企業生産性革命推進事業として2000億円が盛り込まれています。

2024年度からの補助金の大きな変更点は、ものづくり補助金の「省力化(オーダーメイド)枠」と「中小企業省力化補助枠(カタログ型)」の新設です。

どちらの補助金も、人手不足に悩む中小企業等の生産プロセスの省力化を補助するものです。

本記事では、

  • ものづくり補助金(オーダーメイド枠)
  • 中小企業省力化補助枠(カタログ型)
  • 2つの補助金の使い分け方

について解説します!

まずは、ものづくり補助金(オーダーメイド枠)の内容から確認していきましょう。


令和6年度版ものづくり補助金は、新製品・サービスの開発や資産プロセスの省力化に重点をおいているのが、大きな変更点です。

中小企業庁が2023年12月1日に発表した資料には、2024年度版ものづくり補助金の目的は、「雇用の多くを占める中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、新製品・サービスの開発や生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援すること」と記載されています。

令和5年度のものづくり補助金からの変更点はつぎの通りです。

  1. 省力化(オーダーメイド)枠」の新設
    →省力化に必要な設備投資を支援
  2. 回復賃上げ・雇用拡大枠の廃止
    →これまでの「通常枠」「デジタル枠」「グリーン枠」は「製品・サービス高付加価値枠」に統合。
    →名称は「通常類型」「成長分野進出類型(DX/GX)」へ変更
    →💡「成長分野進出類型」は通常類型よりも補助上限額・補助率が手厚い
  3. 持続的な賃上げを実現するため、大幅な賃上げに取り組み事業者は補助上限額を引き上げ
    →💡オーダーメイド枠では上乗せ額が拡充され、最大2,000万円まで引き上げ
  4. 公募は2回程度実施予定
    →17次公募(2024年3月〆切)では、「省力化枠」のみが公募対象(詳細はこちらの記事から)
    →18次公募(時期未定)では、「製品・サービス高付加価値枠」「グローバル枠」が公募対象
    💡なお、17次で応募した事業者は18次では応募できません。
  5. 実施期間の変更
    →令和6年12月10日までに実施報告をする(これまでは採択日から1年後が最終期限だった)
  6. 口頭審査の導入
    →一定の投資規模の事業計画に取り組む場合
令和6年度ものづくり補助金スケジュール
令和6年度ものづくり補助金スケジュール 出典:中小企業庁

ものづくり補助金の類型、補助上限額、補助率

補助率、補助上限額はつぎの通りです。
※補助上限に幅があるため、従業員数で補助上限が設定されています

申請類型補助上限額補助率
省力化(オーダーメイド)枠5人以下
750万円
(1,000万円)

6~20人
1,500万円
(2,000万円)

21~50人
3,000万円
(4,000万円)

51~99人
5,000万円
(6,500万円)

100人以上
8,000万円
(1億円)
中小:1/2※
小規模・再生:2/3
※1,500万円までは1/2、1,500万円をこえる部分は1/3

💡本枠は賃上げ実施時の補助上限額が最大+2,000万円まで拡充
製品・サービス高付加価値化枠
①通常類型
5人以下
750万円
(850万円)

6~20人
1,000万円
(1,250万円)

21人以上
1,250万円
(2,250万円)
中小:1/2※
小規模・再生:2/3
※新型コロナ回復加速化特例2/3
製品・サービス高付加価値化枠
①成長分野進出類型
5人以下
1,000万円
(1,100万円)

6~20人
1,500万円
(1,750万円)

21人以上
2,500万円
(3,500万円)
2/3

💡本枠は補助率・上限額が手厚い
グローバル枠3,000万円
(4,000万円)
中小:1/2
小規模・再生:2/3
※()内の補助上限額は、補助事業終了後3-5年で大幅な賃上げに取り組む企業の場合(出典:経済産業省

対象要件

ものづくり補助金を活用のさいに達成しなければならない要件は、令和5年度と同じです。

3~5年の事業計画を実施し、下記の要件を満たす必要があります。

  1. 付加価値額
    →年平均成長率3%増加
  2. 給与支給額
    →年平均成長率1.5%増加
  3. 事業場内最低賃金
    →地域別最低賃金+30円以上

省力化(オーダーメイド枠)の詳細

【対象事業】

人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援

💡留意点

オーダーメイド枠は「オーダーメイド設備」の導入を支援するので、単なる汎用性が高いロボット単体での導入はNGです。

システム開発などを行うシステムインテグレータ(Sler)と協力し、自社の生産ラインの省力化につながるようなロボットシステム等を構築する必要があります。

細かい留意点や公募要項の詳細はこちらの記事を参照ください

💡補助金額について

ものづくり補助金 省力化オーダーメイド枠の補助上限と補助率 表

本枠は原則中小企業が1/2、小規模事業者が2/3です。

ただし、中小企業の場合、補助金額が1,500万円までのものは1/2以内、1,500万円をこえる部分は1/3以内が適応されます。

💡活用イメージ

熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(Sier)と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。

組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。


その他の枠:①製品・サービス高付加価値化枠

製品・サービス高付加価値化枠は、「①通常類型」と「②成長分野進出類型(DX/GX)」の2つの類型があります。

【①通常類型】

革新的な製品・サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援

ものづくり補助金 通常類型の補助率と補助上限額 表

💡活用イメージ 

最新複合加工機を導入し、精密加工が可能となり国際基準に準拠した部品を開発

【②成長分野進出類型(DX/GX)

今後成長が見込まれる分野(DX・GX)に資する革新的な製品・サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援

ものづくり補助金 成長分野進出類型(DX・GX)の補助率と補助上限額 表

💡活用イメージ

AIやセンサー等を活用した高精度な自律走行搬送ロボットの試作機を開発


その他の枠:②グローバル枠

【対象事業】

海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等を支援

ものづくり補助金 グルーバル枠の補助率と補助上限額 表
  • 補助上限:3,000万円
    ※補助事業実施後3~5年で大幅賃上げを実施する場合4,000万円
  • 補助率:小規模事業者は2/3、中小企業は1,500万円まで1/2、1,500万円をこえる部分は1/3
  • グローバル枠のみ、広告宣伝・販売促進費、通訳・翻訳費、海外旅費も利用可能

💡活用イメージ

海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展


2023年度補正予算案には事業再構築補助金の予算が「省力化補助金」へと引き継がれ、全く新しい「中小企業省力化補助枠(カタログ型)」が追加されました。

  • 人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援すること
  • 省力化投資により付加価値額の増加、従業員一人当たりの付加価値額の増加、生産性向上、売上拡大を図ること

対象経費はあらかじめ指定された汎用製品が補助対象になる可能性が高いです。

※詳細が分かり次第、随時更新します。

補助率と補助上限額

補助率と補助上限は次の通りです。

従業員数補助上限額補助率
5名以下200万円
(300万円)
1/2
6-20名500万円
(750万円)
1/2
21名以上1000万円
(1500万円)
1/2
※()内は賃上げを実施した場合 (出典:経済産業省

本記事ではものづくり補助の省力化(オーダーメイド枠)「中小企業省力化補助枠(カタログ型)」について解説しましたが、「当社はどちらの補助金が向いているのか?」いまいち、分かりづらいかと思います。

そこで設備導入で実施したい目的に応じて、どちらの補助金を活用するのがおすすめなのかを図にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

ものづくり補助金省力化オーダーメイド枠、省略化補助金カタログ枠の比較図

令和5年度補正予算案には人手不足解消のための省力化投資を後押しする補助枠が新設される予定です。導入設備や目的に応じて次のような使いわけができます。

  • オーダーメイドの設備で省力化を図る場合:
    「ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠」
  • 汎用機で生産プロセスの一部を省力化を図る場合:
    「省力化投資補助枠(カタログ型)」

また、投資下限額10億円の大規模な補助金の新設も予定されています。

「経営ビューイング」では認定支援機関として豊富な実績とノウハウで、事業計画策定から申請手続き、採択後のアフターサポートまで一貫した支援を行なっています。

ご相談も受け付けておりますのでお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

上へ戻る