政府の令和5年度補正予算案には、ものづくり補助金も含む中小企業生産性革命推進事業として2000億円が盛り込まれています。
2024年度からの補助金の大きな変更点は、ものづくり補助金の「省力化(オーダーメイド)枠」と「中小企業省力化補助枠(カタログ型)」の新設です。
どちらの補助金も、人手不足に悩む中小企業等の生産プロセスの省力化を補助するものです。
本記事では、
について解説します!
まずは、ものづくり補助金(オーダーメイド枠)の内容から確認していきましょう。
目次
令和6年度版ものづくり補助金は、新製品・サービスの開発や資産プロセスの省力化に重点をおいているのが、大きな変更点です。
中小企業庁が2023年12月1日に発表した資料には、2024年度版ものづくり補助金の目的は、「雇用の多くを占める中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、新製品・サービスの開発や生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援すること」と記載されています。
令和5年度のものづくり補助金からの変更点はつぎの通りです。
補助率、補助上限額はつぎの通りです。
※補助上限に幅があるため、従業員数で補助上限が設定されています
申請類型 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
省力化(オーダーメイド)枠 | 5人以下 750万円 (1,000万円) 6~20人 1,500万円 (2,000万円) 21~50人 3,000万円 (4,000万円) 51~99人 5,000万円 (6,500万円) 100人以上 8,000万円 (1億円) | 中小:1/2※ 小規模・再生:2/3 ※1,500万円までは1/2、1,500万円をこえる部分は1/3 💡本枠は賃上げ実施時の補助上限額が最大+2,000万円まで拡充 |
製品・サービス高付加価値化枠 ①通常類型 | 5人以下 750万円 (850万円) 6~20人 1,000万円 (1,250万円) 21人以上 1,250万円 (2,250万円) | 中小:1/2※ 小規模・再生:2/3 ※新型コロナ回復加速化特例2/3 |
製品・サービス高付加価値化枠 ①成長分野進出類型 | 5人以下 1,000万円 (1,100万円) 6~20人 1,500万円 (1,750万円) 21人以上 2,500万円 (3,500万円) | 2/3 💡本枠は補助率・上限額が手厚い |
グローバル枠 | 3,000万円 (4,000万円) | 中小:1/2 小規模・再生:2/3 |
ものづくり補助金を活用のさいに達成しなければならない要件は、令和5年度と同じです。
3~5年の事業計画を実施し、下記の要件を満たす必要があります。
【対象事業】
人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援
💡留意点
オーダーメイド枠は「オーダーメイド設備」の導入を支援するので、単なる汎用性が高いロボット単体での導入はNGです。
システム開発などを行うシステムインテグレータ(Sler)と協力し、自社の生産ラインの省力化につながるようなロボットシステム等を構築する必要があります。
細かい留意点や公募要項の詳細はこちらの記事を参照ください
💡補助金額について
本枠は原則中小企業が1/2、小規模事業者が2/3です。
ただし、中小企業の場合、補助金額が1,500万円までのものは1/2以内、1,500万円をこえる部分は1/3以内が適応されます。
💡活用イメージ
熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(Sier)と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。
組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。
製品・サービス高付加価値化枠は、「①通常類型」と「②成長分野進出類型(DX/GX)」の2つの類型があります。
【①通常類型】
革新的な製品・サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援
💡活用イメージ
最新複合加工機を導入し、精密加工が可能となり国際基準に準拠した部品を開発
【②成長分野進出類型(DX/GX)】
今後成長が見込まれる分野(DX・GX)に資する革新的な製品・サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援
💡活用イメージ
AIやセンサー等を活用した高精度な自律走行搬送ロボットの試作機を開発
【対象事業】
海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等を支援
💡活用イメージ
海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展
2023年度補正予算案には事業再構築補助金の予算が「省力化補助金」へと引き継がれ、全く新しい「中小企業省力化補助枠(カタログ型)」が追加されました。
対象経費はあらかじめ指定された汎用製品が補助対象になる可能性が高いです。
※詳細が分かり次第、随時更新します。
補助率と補助上限は次の通りです。
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
5名以下 | 200万円 (300万円) | 1/2 |
6-20名 | 500万円 (750万円) | 1/2 |
21名以上 | 1000万円 (1500万円) | 1/2 |
本記事ではものづくり補助の省力化(オーダーメイド枠)と「中小企業省力化補助枠(カタログ型)」について解説しましたが、「当社はどちらの補助金が向いているのか?」いまいち、分かりづらいかと思います。
そこで設備導入で実施したい目的に応じて、どちらの補助金を活用するのがおすすめなのかを図にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
令和5年度補正予算案には人手不足解消のための省力化投資を後押しする補助枠が新設される予定です。導入設備や目的に応じて次のような使いわけができます。
また、投資下限額10億円の大規模な補助金の新設も予定されています。
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