補正予算案がついに可決し、来年度に向けた中小企業支援策についての速報が次々と舞い込んでいます。その中でも、特に注目を集めているのが2025年実施の補助金の動向です。
本記事では、令和6年度補正予算案について徹底解説!来年度の補助金について一早く予想します!
【本記事は以下について徹底解説します】
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目次
現時点(2024年12月17日時点)では、中小企業成長加速化補助金について詳細情報はでていませんが、中小企業向け政策に取り組まれている参議院議員の竹内しんじ氏が11月28日にX(旧Twitter)にてこのようなポストを行いました。
「臨時国会がスタート。 与党としては、補正予算案の成立が優先課題です。 補正予算案では、中小企業・小規模事業者向けの支援を充実。 事業再構築補助金の後継補助金も盛り込まれています。」
(出典:X(旧Twitter))
また、12月13日に経済産業省が発表した資料は以下の通りです。
(出典:経済産業省)
竹内氏が提示した資料と経済産業省の資料の違いは、黄色いマーカー部になります。
多少変更点はありますが、いずれにおいても中小企業成長加速化補助金(仮称)として新たな補助金が明記されています。
中小企業・小規模事業者様が一番気になるのはこの部分でしょう。
中小企業・小規模事業者様が一番活用しやすいと思われる「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「持続化補助金」「事業承継補助金」は来年度も継続予定となっています。
12月13日公開の経産省版の資料では3,400億円の内訳は削除されていますが、竹内氏の資料からすると2,400億円前後になると考えられます。
令和5年度補正予算が2,000億円だったことを鑑みると、400億円の増額となっており、国も中小企業の支援を重視していることが伺えます。
令和5年補正予算(2024年実施)は3月の公募が最終回となった「ものづくり補助金」ですが、令和6年補正予算(2025年実施)にはしっかりと組み込まれているため、予算規模を考慮すると公募回数の増加が期待されるところです。
(出典:経済産業省)
今までのものづくり補助金には賃上げのノルマ(給与支給総額を年平均成長率+1.5%増かつ事業場内最低賃金+30円以上)がありましたが、経済産業省が12月16日に提示した資料によると、
「1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加」
とノルマが増加しています。国が賃上げを特に求めているのが伺えますね。
また、最低賃金近傍事業者に対しては補助率を2/3に引き上げる等、優遇措置が取られていることにも注目です。
さらに、2025年実施のものづくり補助金における重要な変更点の一つとして、「収益納付が求められない」と明記された点が挙げられます。
収益納付とは、補助金適化法に基づき、事業で収益が発生した場合、その収益の一部または全部(補助金交付額が上限)を国庫に返納する制度のことです。
過去のものづくり補助金の公募要領では、事業化報告を通じて、事業の成果から収益が得られたと認められた場合、補助金の受領額を上限として収益納付が必要であるとされていました。
一方で、令和6年度補正予算案を基に中小企業庁が作成した資料では「収益納付は求めない」と明記されています。この変更について中小企業庁イノベーションチームは「中小企業の成長を加速させるという観点から、財務当局と調整した結果、収益納付を求めないということとなった」と説明しています。
(出典:経済産業省)
令和6年度の事業承継補助金では
の3つの申請枠があり、①経営革新枠の800万円が最大の補助金額でした。
12月17日に発表された資料によると、2025年実施の事業承継補助金申請枠が
となっており、経営革新枠の後継と考えられる①事業承継促進枠では、最大1,000万円、②専門家活用枠が最大2,000万円(※100億企業要件を満たす場合)と増額されました。
また、③PMI推進枠が追加され「M&Aに伴い経営資源を譲り受ける予定の中小企業等に係るPMIの取り組みを行う事業者」向けの申請枠も追加されました。
事業承継やM&Aをお考えの事業者様にとっては令和6年度よりも活用しやすくなりました。
事業再構築補助金の後継として、既存の基金を活用し、約1,500億円規模で実施される予定です。この財源には、事業再構築補助金で使われなかった予算の一部が充てられると考えられます。
さらに、12月5日に中小機構が公開した資料では、効率的かつ効果的な事業実施手法に関する情報提供が求められており、その中で「新事業進出補助金(仮称)」の事業目的や概要についても示されていました。
(中小機構HP「「中小企業新事業進出促進事業」に係る資料提供依頼・意見募集について」)
事業の目的としては、企業の成長・拡大を目指した新規事業への挑戦(新規性)や賃上げが主要要件として挙げられています。既存の事業再構築補助金における事業再構築指針「新市場進出」のようなイメージになるでしょう。
特に新市場への進出を目指す、積極的な成長を検討している企業にとって注目すべき補助金です。
さらに、事業再構築補助金同様に、補助対象経費には「建物費」が含まれている点も特徴です。建物費が対象となる補助金は数少ないため、建物を伴う設備投資を検討している事業者にとっては大きなチャンスとなります。
ただし、事業再構築補助金の後期では建物費の計上に関して審査が厳格化し、新築はほぼ不可、原則改築となった経緯から、同様に新築はほぼ不可になることが予想されます。
なお、事業再構築補助金の後継と位置付けられていますが、申請要件や枠組みを単純に見直したものではなく、全く新しい補助金として実施される可能性が高いです。そのため、事務局の公募を経て具体的な運用が始まることも考えられます。詳細は今後順次明らかになっていくと思われます。
【概略(私見)】
中小企業成長加速化補助金とは?
⇒ 2024年から実施されている大規模成長投資補助金のダウンサイジング版と予想
私見ではありますが、中堅・中小企業の大規模投資支援として、工場の新設等の大規模な投資(=大規模成長投資補助金)が継続されることから、規模が大きすぎた大規模成長投資補助金のダウンサイジング版とみても良いでしょう。
大規模成長投資補助金は最低設備投資額が10億円からということで、規模の大きい限られた企業しか要件を満たせませんでしたが、今回の新設の補助金により、多くの中小企業が対象となることでしょう。
令和5年度に新設された10億円を超える大型設備投資限定で補助額50億円(補助上限)の「大規模成長投資補助金」の継続が発表されました。
新規公募分3年3,000億円の措置となっているので、今後も継続されることが期待できます。
工場などの拠点新設に伴う大規模な投資をお考えの事業者様に特におすすめできる補助金です。
(出典:中小企業庁)
令和6年度に新設された省力化補助金は、カタログから選ぶだけで簡単に補助金が申請できるということが売りでしたが、実際はカタログに登録されている設備が少なくほとんどの事業者様が使えない補助金となっていました。
しかし、2025年実施公募では、カタログ注文型以外に、一般型の申請枠が用意され、カタログ外のカスタマイズ設備やソフト+ハードなど個別の現場に合わせた省力化設備も対象にできることが明記されました。
省力化補助金がさらに活用しやすくなることで、申請者も増加することが見込まれます。
本記事では令和6年度補正予算案より2025年実施分の補助金予測についてお伝えしました。
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来年度の補助金に向けて、周りよりもいち早くスタートを切るためにも今のうちに準備していきましょう!
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