
東京都では、中東情勢の影響による原材料価格の高騰や供給不安に直面する中小企業を支援するため、「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」を実施しています。
助成限度額は2,000万円、助成率は4/5以内。 原材料費の縮減や価格転嫁等に向けた機械設備・システムの導入、販路開拓などに必要な経費が助成対象となります。
第3回の申請期間は、2026年11月2日(月)から11月30日(月)までとなっています。
本記事では、助成金の概要や対象となる事業者、具体的な活用例、申請に向けたポイントを解説します。
◆地域限定補助金です ⇒ 東京都予算
本事業は、東京都中小企業振興公社が実施する設備投資助成事業です。
対象地域は次のようになっています。
●東京都内に本店がある中小企業
設備設置先は
東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県に設置可能。
●東京都内に登記済みの支店がある中小企業
設備設置先は
東京都内のみとなります。
※本記事は10月22日時点で公開されている第2回募集要項、スケジュールは東京都中小企業振興公社の第3回公募予定に基づいています。
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本事業は、中東情勢を契機とした原材料・燃料・物流費等の高騰により、収益性の悪化が見込まれる都内中小企業等を対象とする助成金です。
原材料費の縮減や価格転嫁等に向けた取組みを支援し、経営基盤の安定化を図ることを目的としています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施機関 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社 |
| 助成限度額 | 2,000万円 |
| 助成率 | 助成対象経費の4/5以内 |
| 助成対象者 | 〇都内の中小企業、 〇法人は本店登記(都内実施なら支店も可)が都内、個人は納税地が都内 〇収益が悪化している➡詳細はこちら、 〇実施場所が都内または特定の都外(神奈川、埼玉、千葉等 ※都内本店登記が条件)等 |
| 助成対象期間 | 交付決定日から1年間 |
| 対象となる取組み | 原材料費の縮減や価格転嫁等に向けた設備導入・システム構築・販路開拓など |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請 |
例えば、助成対象として認められた経費が1,000万円の場合、助成率4/5を適用すると、助成金額は800万円、事業者の実質的な負担額は200万円となります。
本事業では、都内中小企業者であることに加え、営業利益率の低下など、収益性の悪化に関する条件を満たす必要があります。
次のいずれかに該当することが必要です。
例えば、前期の営業利益率が8%、直近決算期が5%となっている場合、営業利益率が低下していることになります。
また、直近決算期では利益率が低下していなくても、次期決算期の営業利益率の減少が見込まれる場合には、申請対象となります。なお、次期決算期の減少見込みで申請する場合は、月次試算表等を用いて売上高・営業利益の見込額を算出する必要があります。
法人の場合、原則として東京都内に本店登記が必要です。ただし、助成事業の実施場所が東京都内の場合は、都内の支店登記でも申請可能です。
個人事業主の場合は、納税地が東京都内にあることが必要です。
また、登記や届出だけでなく、東京都内の事業所で実質的に事業活動を行っている必要があります。
その他、大企業が実質的に経営に参画していないことなど、定められた申請要件を満たす必要があります。
本事業は、原材料価格の高騰による収益性の悪化に対応するため、設備投資や業務改善などを検討している企業にとって、活用を検討できる制度です。
特に、次のような課題を抱える事業者は、対象となる取組みがないか確認してみるとよいでしょう。
| 経営課題 | 対象となる取組み | 導入設備の具体例 |
|---|---|---|
| 原材料の使用量が多く、製造コストが増加している | 原材料使用量を削減する設備の導入 | 建設現場で塗料の使用量を減らす機器を導入する |
| 不良品や端材の発生による材料ロスが多い | 不良品の削減・歩留まり改善 | 不良品を早期に発見する検査装置の導入による歩留まり改善 |
| 在庫管理が煩雑で、過剰在庫や廃棄ロスが発生している | 在庫ロスを削減するシステムの構築 | インクの在庫ロスを削減するため、発注管理システムを構築する |
| 原材料価格の高騰に対応した商品展開を進めたい | 代替素材を活用した新商品の販路開拓 | 代替素材を活用した新商品をPRするため、展示会へ出展する。 単なる原材料の置き換えではなく、新商品の販路開拓などにつなげることが想定されている。 |
上記は、公社が示している取組例を経営課題別に整理したものです。
重要なのは、設備やシステムを導入すること自体ではなく、原材料費の縮減や価格転嫁等にどのようにつながるかを説明できることです。
なお、実際の助成対象となるかは、事業計画や経費の内容等を踏まえた審査によって判断されます。
次のような取組みは対象外です。
助成対象経費は、原材料費の縮減や価格転嫁等に向けた取組みに直接必要であり、審査で認められた経費です。
| 経費区分 | 内容 | 上限 |
|---|---|---|
| 原材料・副資材費 | 助成事業に必要な原材料・副資材の購入等 | – |
| 機械装置・工具器具費 | 取組みに必要な機械装置や工具器具の購入等 | – |
| 機器・システム改良費 | 既存機器・システムの改良等 | – |
| 委託・外注費 | 取組みに必要な業務の委託・外注等 | – |
| 設備等導入費 | 取組みに必要な設備等の導入 | – |
| システム等導入費 | 取組みに必要なシステム等の導入 | – |
| 専門家指導費 | 専門家による指導等 | ※単独申請不可 |
| 販路開拓経費 | 展示会出展などの販路開拓 | 500万円 |
| その他経費 | 募集要項に定めるその他の経費 | 100万円 ※単独申請不可 |
まずは直近2期の決算書を確認し、営業利益率の推移を把握しましょう。
次期決算期の営業利益率の減少見込みを根拠とする場合は、月次試算表を用いた算出が必要です。
設備投資を計画する場合は、現在の材料使用量や不良率、在庫ロスなどを把握し、導入後の改善効果を整理することが重要です。
例えば、設備導入前後で材料使用量や不良品の発生状況を比較できれば、事業計画の必要性や効果を説明する材料になります。
第2回募集要項では、1契約当たり税抜30万円以上の申請経費について、見積書・カタログ等の提出が求められています。
また、1契約当たり税抜100万円以上の経費については、原則として2社以上の相見積書が必要です。
設備やシステムの仕様が確定していない場合、見積取得に時間がかかることもあるため、早めに準備しましょう。
助成対象期間は交付決定日から1年間です。
交付決定前に発注・契約した経費は、原則として助成対象外となります。
また、助成対象期間内に契約・実施・支払いを完了する必要があります。
| 申請受付期間 | 2026年11月2日(月)~11月30日(月) |
| 書類審査 | 2026年12月~ |
| 面接審査 | 2027年1月下旬~2月上旬※ |
| 交付決定 | 2027年2月26日予定 |
| 申請額100万円以下の交付決定 | 2027年1月29日予定 |
申請は、Jグランツによる電子申請で行います。
※なお、助成金交付申請額が100万円以下の場合は、原則として書類審査のみとなります。申請内容によっては、専門家による事前の現地確認が行われます。
「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」は、原材料費の縮減や価格転嫁等に向けた取組みを支援する助成金です。
助成限度額2,000万円、助成率4/5以内と、設備投資やシステム導入を検討する中小企業にとって活用を検討できる制度です。
申請にあたっては、営業利益率の低下等の要件を満たすことに加え、取組みの必要性や原材料費の縮減等への効果を具体的に説明することが重要です。
経営ビューイングでは認定支援機関として豊富な実績とノウハウで、事業計画策定から申請手続き、採択後のアフターサポートまで一貫した支援を行なっています。
ご相談も受け付けておりますのでお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。