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2026.08.19

【2次公募】中小企業成長加速化補助金の採択傾向を分析|売上高・成長率・投資テーマから読み解く採択企業の特徴

2026年8月4日、中小企業成長加速化補助金の第2次公募について、採択結果が公表されました。

第2次公募では、872件の有効申請に対して223件が採択され、採択倍率は約3.9倍(採択率約25.6%)でした。

今回、公式サイトでは採択者一覧だけでなく、採択企業と申請企業全体について、売上高成長率、付加価値増加率、投資規模、利益率、賃上げ率、自己資本比率などの比較データも公開されました。

本記事では、公式資料から確認できる数値をもとに、第2次公募で採択された企業の特徴を分析します。

※なお、業種や投資テーマについては、公式資料には業種区分や補助金額の個別データが掲載されていないため、公開された採択者一覧の「補助事業名」から読み取れる範囲で整理しています。

採択率が16.3%だった第1次公募と比較すると採択率は上昇したものの、申請企業のおよそ4社に1社しか採択されていないことから、依然として難易度の高い補助金といえます。

1次公募2次公募
有効申請件数1,270 件872 件
採択件数207 件223 件
採択率約16.3 %約25.6 %
採択倍率約6.1 倍約3.9 倍

公式資料では、採択者223件に対して「金融機関による確認書」の提出率が100%だったことも公表されています。

★各指標も2次のほうが高い水準

なお、次章で詳しく紹介しますが、採択者の付加価値額増加率、労働生産性成長率、売上高成長率など、事業実施後の成長性を示す各指標は、第1次公募と比較して第2次公募の採択者の方が高い水準となっています。

この結果から、第2次公募では、単に要件を満たすだけでなく、投資によってどれだけ高い成長を実現できるのか、その数値目標と実現可能性をより具体的に示すことが重要になっていると考えられます。

第2次公募では採択企業の成長計画がより高い水準となっていることから、今後の申請においても、売上・付加価値・労働生産性の成長につながる説得力のある事業計画が求められるといえます。


成長加速化補助金の公式サイトで各指標について公開されています。まずは、公式情報をもとに、採択されやすい事業計画について深堀していきます。

  1. 採択企業の年商は、申請企業全体より小さい
    ⇒現在の会社の規模の大きさは採択に影響しない
  2. 売上高の大きさより、今後の成長率が重視されている
    ⇒売上高成長率が高く、既存事業を現状の延長線上で少しずつ拡大するだけでは実現が難しい大胆な事業計画
  3. 付加価値額・労働生産性にも大きな差
    ⇒売上拡大ではなく、高い利益や付加価値を生み出せる成長が重視されている。例:「高付加価値」「自動化」「省人化」「スマートファクトリー」「量産」「生産能力増強」の事業テーマ
  4. 現在の年商に対して、より大胆な投資を行っている
    ⇒採択企業では中央値でも54.6%となっており、現在の年商の半分を超える規模の投資が計画されている。
  5. 賃上げは「足下の賃上げ(申請直近(最新決算期等)の賃上げ実績)」より「成長後の還元」に差
    ⇒単なる省人化ではなく、設備投資によって生産性を高めながら、売上・利益・雇用・賃金を同時に伸ばす計画が求められている
  6. 現在の1人当たり給与は、極端に高くなくても採択されている
    ⇒投資後にどの程度賃上げするか(今後の成長)が重要
  7. 自己資本比率が高い
    ⇒十数億円規模の投資を実行し、事業を継続できる財務体質
  8. 採択者における「金融機関による確認書」の提出率は100%(223件/223件)

採択動向①採択企業の年商は、申請企業全体より小さい

最新決算期の売上高採択者申請全体
平均値27.7億円33.9億円
中央値20.6億円26.9億円

採択企業の平均売上高は27.7億円、中央値は20.6億円でした。これに対し、申請企業全体の平均は33.9億円、中央値は26.9億円となっており、採択企業の方が売上高は小さいという結果です。

この結果からは、現在の会社規模が大きいほど採択されやすいわけではないことが読み取れます。


採択動向②売上高の大きさより、今後の成長率が重視されている

採択企業と申請企業全体では、計画上の売上高成長率に明確な差が見られました。

全社売上高成長率採択者申請全体
平均値年32.2%年26.1%
中央値年30.5%年26.0%

採択企業の売上高成長率は、平均で年32.2%、中央値でも年30.5%となっています。

申請企業全体と比べると、平均値で6.1ポイント、中央値で4.5ポイント高い結果です。

年30%を超える売上成長は、既存事業を現状の延長線上で少しずつ拡大するだけでは実現が難しい水準です。

そのため、採択企業の計画では、

  • 新工場の建設
  • 生産能力の大幅な増強
  • 新市場・新分野への進出
  • 海外展開
  • 多店舗化・多拠点化
  • 物流機能の強化
  • 製造工程の内製化
  • 新製品の量産化

など、企業の供給能力や事業構造を大きく変える投資が計画されていると考えられます。

ただし、売上高成長率を高く設定すれば採択されるという意味ではありません。審査では、その成長率を実現できる根拠として、

  • 対象市場の規模と成長性
  • 現在の引き合いや受注状況
  • 具体的な販売先
  • 生産能力の増加量
  • 販売・営業体制
  • 人員採用計画
  • 資金調達と投資回収

まで一貫して根拠と説得力のある説明する必要があります。


採択動向③付加価値額・労働生産性にも大きな差

売上高だけでなく、付加価値額と労働生産性についても、採択企業は申請企業全体を上回っています。

全社付加価値増加率

付加価値増加率採択者申請全体
平均値年37.5%年30.5%
中央値年34.9%年28.6%

労働生産性成長率

労働生産性成長率採択者申請全体
平均値年25.0%年20.6%
中央値年23.6%年18.0%

売上高成長率だけでなく、付加価値額や労働生産性についても、採択企業の計画値が高くなっています。

このことから、第2次公募では単純な売上拡大ではなく、高い利益や付加価値を生み出せる成長が重視されたと読み取れます。

採択企業では、大型設備や自動化によって、

  • 1人当たりの生産量を増やす
  • 高付加価値製品へ移行する
  • 外注工程を内製化する
  • 不良・手直し・リードタイムを削減する
  • 量産能力と品質を両立する

といった計画が多いと考えられます。

採択者一覧でも、「高付加価値」「自動化」「省人化」「スマートファクトリー」「量産」「生産能力増強」といった表現が複数の補助事業名で確認できます。


採択傾向④ 現在の年商に対して、より大胆な投資を行っている

第2次公募における補助事業全体の経費は次のとおりです。

補助事業全体に要する経費採択者申請全体
平均値14.0億円12.0億円
中央値11.3億円10.3億円

採択企業は申請企業全体より現在の売上高が小さい一方、補助事業全体の経費は大きくなっています

これを示すのが、売上高投資比率です。

売上高投資比率採択者申請全体
平均値59.6%45.8%
中央値54.6%38.5%

売上高投資比率は、最新決算期の全社売上高に対して、補助事業全体に要する経費がどの程度の割合を占めるかを示したものです。

採択企業では中央値でも54.6%となっており、現在の年商の半分を超える規模の投資が計画されています。

例えば、直近売上高が20億円の企業であれば、10億円を超える規模の投資に相当します。

この数字から、中小企業成長加速化補助金で評価されているのは、通常の設備更新ではなく、企業の生産体制や事業構造を抜本的に変える投資であることが分かります。

ただし、投資額を大きくすればよいわけではありません。

投資規模が大きいほど、

  • 借入返済が可能か
  • 投資後の設備を十分に稼働できるか
  • 売上計画に見合った市場があるか
  • 必要な人員を確保できるか
  • 投資回収が可能か

という実現可能性が厳しく問われます。

採択されるには「投資規模が大きい企業」ではなく、大きな投資を必要とする成長戦略と、その実行可能性を説明することが必要です。


採択傾向⑥ 賃上げは「足下の賃上げ」より「成長後の還元」に差

賃上げ関連の指標は、項目ごとに結果が異なります。

従業員1人当たり給与支給総額の増加率 ※従業員のみを対象

計画期間中の増加率採択者申請全体
平均値年6.7%年6.2%
中央値年6.5%年6.0%

給与支給総額の増加率 ※従業員のみを対象

計画期間中の増加率採択者申請全体
平均値年18.9%年14.4%
中央値年17.4%年12.5%

「足元の賃上げ」※従業員のみを対象

「足下の賃上げ」申請直近(最新決算期等)の賃上げ実績採択者申請全体
平均値年3.3%年3.4%
中央値年3.0%年3.0%

採択企業は、将来の1人当たり給与と給与支給総額の増加率では申請全体を上回っています。

特に給与支給総額の増加率は、中央値で4.9ポイントの差があります。

一方、直近から基準年度までの「足下の賃上げ」は、採択企業と申請全体でほとんど差がありません。平均値では、むしろ申請全体の方が0.1ポイント高くなっています。

したがって、公式データからは「足下の賃上げ率を高くすれば採択されやすい」とは言えません。

採択企業で差が大きいのは、投資後の給与支給総額です。

これは、

  • 既存従業員の賃上げ
  • 新規採用
  • 事業規模拡大に伴う雇用増加

を組み合わせた計画が評価されている可能性を示しています。つまり、単なる省人化ではなく、設備投資によって生産性を高めながら、売上・利益・雇用・賃金を同時に伸ばす計画が求められていると考えられます。


採択傾向⑦ 自己資本比率が高い

大型投資を実施するには、投資前の収益力や財務基盤も重要です。

自己資本比率採択者申請全体
平均値45.7%37.4%
中央値43.8%34.4%

自己資本比率では、採択者が申請全体と比較して中央値で9.4ポイントの差があります。

このことから、100億円を目指す成長性だけでなく、十数億円規模の投資を実行し、事業を継続できる財務体質も評価に影響した可能性があります。


採択傾向⑧採択者における「金融機関による確認書」の提出率は100%(223件/223件)

大型投資を最後まで実行できる資金力の確保のため金融機関との連携が必要となります。

成長加速化補助金は、補助率1/2で最大5億円という制度です。そのため、資金調達・金融機関連携・投資回収までを具体的に組み込んだストーリーが必要になります。


ここからは、採択者一覧に掲載された223件の補助事業名から、投資テーマの特徴を見ていきます。

なお、以下は公式の業種別集計ではありません。補助事業名に含まれる言葉をもとにした分析であることにご留意ください。また、1つの事業名に2つのテーマが含まれている場合もあります。

投資テーマ該当件数全223件に占める割合
新工場・新拠点・新倉庫などの整備57件約25.6%
自動化・AI・DX・省人化・省力化37件約16.6%
海外展開・輸出・インバウンド33件約14.8%
GX・脱炭素・資源循環・リサイクル24件約10.8%
地域課題・社会課題・供給網強靱化25件約11.2%
新市場・新分野・新事業への進出15件約6.7%

先の一覧表から、採択件数が最も多かった上位3つのテーマについて、深堀していきます。

①既存事業の延長ではない「新工場・新拠点の整備 」

第2次公募で最も目立ったのが、新工場や新拠点の整備です。「新工場」「工場建設」「新拠点」「新倉庫」など、建物・拠点の新設や増強を明確に掲げた事業は57件確認できました。全採択223件の約25.6%に相当します。

本補助金では建物費が補助対象となるため、単体設備の導入だけでなく、工場建設と生産設備を組み合わせた抜本的な成長投資が多く採択されています。既存事業を少しずつ延長する投資ではなく、生産能力や供給体制を大きく変える事業が中心となっていることが分かります。

具体的には、次のような案件が採択されています。

  • プロテイン製品製造工場の構築
  • レトルト製造・セントラルキッチン工場の新設
  • そば専用工場の建設
  • 半導体需要に対応する新工場建設
  • 新工場による食肉加工体制の強化
  • 大規模中継ハブ拠点の新設
  • 物流センターの建設
  • 自社ブランドホテル2棟の新設

②人手不足解消のための「自動化・AI・省力化投資」

深刻な人手不足への対応として、自動化・AI・DX・省人化を明確に掲げた採択事業も目立ちました。当社集計では、関連する表現が補助事業名に含まれる案件は37件で、全体の約16.6%でした。

ただし、単に「AIを導入する」「作業を自動化する」という計画ではありません。採択事業の多くは、自動化によって生産能力や供給能力を高め、受注拡大や新市場進出につなげています。

中小企業成長加速化補助金では、省力化そのものよりも、省力化によって生み出された余力をどのように売上・付加価値・賃上げへ結び付けるかが重要と考えられます。

具体的な案件には、次のようなものが含まれました。

  • AI・DX統合基盤を活用した物流拠点
  • スマートファクトリー化
  • ロボットシステム事業
  • 3D自動倉庫
  • 尿中miRNA×AI検査の自動化
  • 製造DXによる高付加価値化
  • 自動加工設備
  • 全自動生産ライン
  • 無人一貫ライン
  • スマートプラント

ただし、採択事業では自動化自体が目的になっているわけではありません。

多くの事業では、自動化・AI・DXを手段として、

  • 生産能力を高める
  • 人手不足を解消する
  • 品質を安定させる
  • 納期を短縮する
  • 受注量を増やす
  • 海外市場へ進出する

という成長につなげています。


③GX・脱炭素・資源循環・インバウンドなど「新市場・社会課題への投資」

脱炭素・資源循環などの新市場・社会問題への対応がテーマの事業名としては、下記のようなものがありました。

  • 太陽光パネルの高度再資源化
  • 自動車廃材の再製シート化
  • プラスチックマテリアルリサイクル
  • 廃棄物の高度選別
  • 金属スクラップの自動選別
  • バイオマス燃料の供給網構築
  • PFAS処理体制
  • 解体と金属リサイクルの一体化

特徴的なのは、環境対応をコストとして捉えるのではなく、新たな製品・市場・収益源へ転換していることです。

インバウンドがテーマの採択事業には、

  • 製造能力を増強して海外輸出を拡大
  • 海外向けマザー工場を建設
  • インバウンド向けホテルを新設
  • 食品・菓子・飲料の海外販売
  • 半導体・精密部品の世界市場獲得
  • 国内技術や伝統産業の海外展開

などが見られます。

売上高100億円という目標を考えると、国内の既存商圏だけでなく、海外市場やインバウンド需要を成長の柱としている企業が一定数評価されたと考えられます。


次に、各業種ごとに採択されているテーマについて深堀していきます。

製造業が最も多くみられた

業種の中で最も多く確認できたのが、製造業関連のテーマです。

  • 金属加工
  • 機械製造
  • 食品製造
  • 樹脂・化学製品
  • 半導体関連
  • 自動車部品
  • 建築資材
  • 精密部品
  • 医療機器
  • 航空・宇宙関連

具体的なテーマは、

  • 卸売業者が製造事業へ進出する案件
  • 建設業者が製造拠点を整備する案件
  • 飲食業者がセントラルキッチンを設置する案件

などが確認できました。


食品製造・セントラルキッチン・飲食多店舗化も有力分野

食品関連では、

  • プロテイン
  • レトルト食品
  • そば
  • 食品添加物
  • 食肉加工
  • メンマ
  • 菓子
  • 乳製品
  • 水産加工
  • 飲食店向けセントラルキッチン
  • 高付加価値飲食店の多店舗展開

など幅広い事業が採択されています。

食品分野では、単なる製造設備の更新ではなく、

  • 専用工場の建設
  • 量産化
  • 保存期間の延長
  • 加工の内製化
  • セントラルキッチン化
  • 販売地域の拡大
  • 輸出
  • 多店舗化

を組み合わせた案件が目立ちます。

設備によって生産量を増やすだけでなく、販路や商圏の拡大までつなげている点が特徴です。


物流拠点・倉庫・サプライチェーン強化

物流関連では、

  • 大規模中継ハブ拠点
  • 物流センター
  • 自社倉庫
  • 3D自動倉庫
  • 食品サプライチェーン
  • 冷凍・冷蔵物流
  • 輸送体制の強化

などの案件が採択されています。

特に、自動倉庫や在庫管理システムを導入し、

  • 保管能力を高める
  • 出荷スピードを上げる
  • 即納体制を構築する
  • 広域販売を可能にする
  • 物流の省人化を進める

といった投資が見られます。

これは物流そのものを目的とするのではなく、供給能力や販売エリアを拡大し、100億円企業への成長基盤を構築する投資として位置付けられていると考えられます。


半導体・自動車・航空宇宙など成長分野への投資

採択事業名では、半導体関連の表現が複数確認できます。

具体的には、

  • 半導体需要に対応する新工場
  • 半導体・医療機器分野のサプライチェーン強化
  • 半導体用部品の製造
  • 半導体フォトレジスト関連
  • 次世代半導体向け製品

などです。

そのほか、自動車、EV、航空宇宙、水素、再生可能エネルギー、医療・ヘルスケアなどの成長市場を対象とする案件も採択されています。

これらの分野では、需要拡大や経済安全保障、サプライチェーン強靱化といった政策的な方向性とも結び付けやすいという特徴があります。ただし、市場の成長性に加えて、自社がその市場で受注を獲得できる根拠や競争優位性を示す必要があります。


これまでの採択結果を読み解くと、単に投資額が大きいだけでなく、投資テーマの成長性と、その投資が売上拡大につながる道筋が重要であることが分かります。

特に、DX・AI・自動化は、それ自体を目的とするのではなく、生産能力の拡大や品質向上、人手不足の解消を実現するための手段として位置付けることが重要です。

また、既存事業の効率化にとどまらず、

  • 新市場・新分野への進出
  • 海外市場や新規顧客の獲得
  • 半導体、GX、医療、インバウンドなど成長分野への展開
  • 高付加価値製品・サービスへの転換

まで見据えた計画が、売上高100億円への成長ストーリーとして説得力を持ちます。

事業計画では、工場や設備を導入することだけを説明するのではなく、次のような関係を明確にする必要があります。

投資

生産能力・品質・納期・生産性の改善

新市場・新顧客・海外市場の獲得

売上高・付加価値額の増加

雇用拡大・賃上げ

売上高100億円の実現

💡重要なのは、「何を導入するか」だけではなく、その投資によって、どの市場で、どのように売上を伸ばし、企業全体を成長させるのかを一貫して示すことです。


指標2次公募
採択者
2次公募
申請全体
※参考 1次公募
採択者
読み取れること
最新売上高・中央値20.6億円26.9億円21.9億円現在の年商が大きいほど有利とは限らない
売上高成長率・中央値年30.5%年26.0%23.7%高い成長計画が求められる
付加価値増加率・中央値年34.9%年28.6%25.7%売上だけでなく高付加価値化が重要
労働生産性成長率・中央値年23.6%年18.0%14.8%大型投資による生産性向上が必要
投資総額・中央値11.3億円10.3億円11.0億円採択案件は10億円超の投資が中心
売上高投資比率・中央値54.6%38.5%44.0%現在の年商に対して大胆な投資
自己資本比率・中央値43.8%34.4%36.2%財務基盤と実行可能性も重要

公式サイトには、1次公募後の審査員の感想が公表されていました。

【経営力】

  • 社長の考えや経験則が投資計画に落とし込まれており、社長自身の言葉で、様々な質問に対してブレずに答えられているか。
  • 経営シナリオが「絵に描いた餅」になっていないか。数字の根拠、実現するための仕組み、人材確保等の手段の全てがシンクロしているか。
  • 自社の投資対象のテーブルに乗ることが前提。補助金が取れなければ何もしない「補助金ありき」となっていないか。
  • 国内市場だけで 100 億到達は現実的ではなく、可能な限り早く、輸出や M&A による販路拡大、バリューチェン構築などの打ち手を講じているか。

【実現可能性】

  • 市場分析について、マーケットの状況、競合の状況など解像度が高いことや、事業のダウンサイドのリスクを含めてアセスされているか。
  • 100 億実現は単一事業、ワンショットの投資では難しく、成長投資と賃上げを持続できる事業のエコシステムが描かれているか。
  • 金融機関のコメントとして、プラス面ばかりではなく、課題面も把握し、経営者とともにどのように解決しようとしているか


【波及効果】

  • 多少荒削りな計画でも、意欲的で、不連続な成長に繋がり、産業や地域に有意義な変化をもたらせるか。
  • 業種・業態の特性による違いという視点、事業価値の増加が地域経済に与えるインパクトも重要か。
  • 自社の資金力で対応することの限界。日本に技術を残すことや、地域経済への貢献など、国が補助金を使って支援する意義は何か

中小企業成長加速化補助金の第2次公募では、872件の有効申請に対して223件が採択され、採択率は1次の16.3%→約25.6%となりました。

公式データからは、採択企業について次の傾向が確認できます。

  • 直近売上高は申請企業全体より小さい
  • 売上高成長率、付加価値増加率、労働生産性成長率は高い
  • 現在の年商に対する投資規模が大きい
  • 自己資本比率が高い
  • 給与支給総額の増加率が高い
  • 金融機関確認書の提出率は100%

投資テーマでは、既存事業の延長線上ではなく、「抜本的な新拠点・新工場の建設」、「自動化・AI・省力化」、「インバウンドや脱炭素など新市場や社会問題への適応」が目立ちました。

採択に向けて最も重要なのは、現在の経営基盤を踏まえ、なぜその大型投資が必要で、投資後にどの市場で、どのように売上高100億円を実現するのかを、具体的な数値と根拠で示すことです。

設備の説明に終始するのではなく、市場、受注、生産能力、人員、財務、賃上げまでを一つの成長戦略として組み立てる必要があります。

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