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2026.08.25

100億宣言の対象企業・メリット・補助金との関係をわかりやすく解説

100億宣言の対象企業・メリット・補助金との関係をわかりやすく解説

100億宣言とは、中小企業が「売上高100億円」という高い目標を掲げ、その実現に向けた具体的な取組を宣言する制度です。2026年8月25日現在では、3,602社を超える企業が社名を公表して登録・宣言を行っています。

100億宣言は、単に「将来100億円を目指す」と表明するものではありません。現在の売上高や経営課題を踏まえて、いつまでに100億円を目指すのか、そのためにどのような投資や事業展開を行うのかなど、具体的な成長戦略を示します。

また、100億宣言を行った企業には、「中小企業成長加速化補助金」や「中小企業経営強化税制」など、成長投資を後押しする支援策も用意されています。

本記事では、100億宣言の概要から対象企業、宣言するメリット、申請方法、中小企業成長加速化補助金との関係まで、2026年8月時点の公式情報をもとにわかりやすく解説します。

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「100億宣言」とは、中小企業が飛躍的な成長を遂げるため、自ら「売上高100億円」という目標を掲げ、その実現に向けた取組を行っていくことを宣言する制度です。

中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構により2025年に開始され、2025年5月8日から申請受付が始まりました。

宣言した内容は、中小企業庁の監督のもと、中小機構等が運営する「100億企業成長ポータル」で公表されます。

100億宣言では、主に次の内容を明らかにします。

  • 企業概要(足下の売上高、従業員数等)
  • 売上高100億円実現の目標と課題
  • 売上高100億円実現に向けた具体的措置
  • 実施体制
  • 経営者のコミットメント

具体的措置としては、生産体制の増強、海外展開、M&Aなどが例示されています。

つまり100億宣言は、売上高100億円という目標だけを掲げるものではなく、「現在どのような状況にあり、どのような課題を解決し、どのような取組によって100億円まで成長するのか」を具体化するものといえます。

参考:
中小企業庁「100億宣言」
100億企業成長ポータル


国が売上高100億円という規模に注目している背景には、100億円規模まで成長した企業が地域経済などに与える影響があります。

中小企業庁は、売上高100億円を超える「100億企業」について、直接輸出額や域内仕入高が大きく、賃金も高いなど、国内投資や地域経済を牽引する存在であるとしています。

また、経済産業省は100億宣言の開始時に、売上高100億円に達する企業について、直接輸出額、域内仕入高、賃金水準が一般的な中小企業と比較して高く、地域のモデル企業として他の経営者に与える影響も大きいことから、「売上高100億円」という水準に着目したと説明しています。

そのため現在の中小企業政策では、幅広い中小企業を支援するだけでなく、高い成長意欲を持つ企業の大型投資や事業拡大を後押しし、「100億企業」を増やしていく取組も進められています。

100億宣言は、こうした成長企業を生み出すための取組の一つとして位置付けられています。


100億宣言は、すべての中小企業が申請できるわけではありません。

2026年8月20日改定の「100億宣言 公表要領」では、宣言の掲載を申請できる企業について、

「売上高10億円以上100億円未満の中小企業」

と定められています。

企業グループとして申請する場合には、企業グループ全体の売上高の合計が10億円以上100億円未満である必要があります。

対象となる「中小企業」とは?

100億宣言のQ&Aでは、原則として次のいずれかに該当する企業等が対象とされています。

  • 上場・非上場、資本金の金額によらず、売上高100億円を目指す中小企業
  • 中小企業基本法上の中小企業者
  • 税法上の中小企業者
  • 中小企業等
  • 経営強化法に基づく中小企業者、特定事業者
  • 役員の構成比や、株式の所有比率等でいわゆる「みなし大企業」に該当する場合でも、売上高100億円を目指す中小企業であれば宣言は可能。ただし、売上高10億円以上100億円未満の企業に限る

100億宣言では、申請時に直近3年分の決算書類を提出し、売上高が確認されます。

基本的には、直近の売上高が10億円以上100億円未満であるかが確認されます。

ただし、直近の売上高だけでは基準を満たさない場合についても、直近3期分の決算書の内容をもとに判断すると、公式Q&Aに記載されています。

そのため、「過去に100億円を超えたから必ず対象外」と一概には判断できません。

該当する企業は、最新の申請要領・Q&Aを確認したうえで、必要に応じて事務局へ確認することをおすすめします。


100億宣言では、主に以下の5項目を盛り込みます。

①企業概要

足下の売上高や従業員数など、自社の現在の状況を記載します。

②売上高100億円実現の目標と課題

現在の売上高から100億円まで、どのように成長していくのかを示します。

公式資料では、

  • 売上高成長目標
  • 期間
  • 成長プロセス

などが例示されています。

③売上高100億円実現に向けた具体的措置

100億円という目標を実現するために、具体的に何を行うのかを記載します。

例えば、

  • 生産体制の増強
  • 海外展開
  • M&A

などです。

企業によって成長戦略は異なるため、自社の強みや市場環境、経営課題などと整合した取組を示すことが重要になります。

④実施体制

掲げた成長戦略を、社内でどのような体制によって実行するのかを示します。

⑤経営者のコミットメント

最後に、売上高100億円を目指すことについて、経営者自身のメッセージを記載します。

100億宣言では、こうした内容を通じて、企業の「100億円を実現するという強いコミットメント」と「具体的な実現可能性」を明らかにすることが求められています。

(自由記載)

スペースが足りない場合はスライドをコピーして記入することも可能です。


公式サイトでは記載例も掲載されています。


100億宣言を行った企業には、成長を後押しする複数の支援策が用意されています。

主なメリットは次のとおりです。

メリット概要
中小企業成長加速化補助金100億円を目指す中小企業の大型投資を支援
中小企業経営強化税制一定の要件を満たす設備投資について税制措置を利用可能(E類型の対象となり建物が特別償却または税額控除の対象)
経営者ネットワーク地域・業種を超えた成長志向の経営者との交流
100億企業成長ポータルへの掲載自社の100億宣言を対外的に公表
公式ロゴマークの活用名刺等で公式ロゴを利用し、自社の取組をPR可能

ただし、「100億宣言を行えば自動的に補助金や税制優遇を受けられる」という意味ではありません。

それぞれの支援策には別途要件・審査・手続きがあります。


メリット① 中小企業成長加速化補助金を活用できる

100億宣言と特に関係が深い制度が「中小企業成長加速化補助金」です。

中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指して大胆な投資を進める中小企業の取組を支援する補助金です。

2026年8月20日に公開された3次公募要領では、主な補助内容は次のようになっています。

項目3次公募
補助率1/2
補助上限額5億円
投資額1億円以上(税抜)
主な補助対象経費建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費
申請受付期間2026年9月29日~10月29日15時

大型の設備投資だけでなく、要件を満たせば建物費も補助対象となる点が特徴です。

★成長加速化補助金の詳細はこちらの記事をご覧ください


メリット② 中小企業経営強化税制の活用

100億宣言企業に関連するもう一つの支援策が、「中小企業経営強化税制」のE類型(経営規模拡大設備)です。

中小企業経営強化税制は、経営力向上計画の認定を受けた中小企業等が一定の設備を取得した場合に、税制上の措置を受けられる制度です。

現在は、

  • A類型:生産性向上設備
  • B類型:収益力強化設備
  • D類型:経営資源集約化設備
  • E類型:経営規模拡大設備

が設けられています。

このうちE類型の申請では、100億企業成長ポータルで100億宣言を行う必要があります。

ただし、100億宣言を行えば自動的にE類型が適用されるわけではなく、投資計画の策定、公認会計士または税理士による事前確認、経済産業局による確認、経営力向上計画の認定など、別途必要な手続きがあります。


メリット③ 成長を目指す経営者同士のネットワーク

100億宣言を行った企業向けには、経営者ネットワークも展開されています。

100億企業成長ポータルでは、宣言企業の経営者が地域や業種を超えてつながるためのシンポジウムや地域版ネットワークイベントなどの情報が公開されています。

単なる資金面での支援だけでなく、同じように高い成長目標を持つ経営者同士がつながる機会が設けられている点も、100億宣言の特徴です。


メリット④ 自社の成長ビジョンを対外的に発信できる

100億宣言が認められると、宣言内容が「100億企業成長ポータル」に掲載されます。

また、100億宣言企業は公式ロゴマークを利用することができます。

中小企業庁では、公式ロゴを名刺などに記載することで、自社の取組をPRできるとしています。

自社が売上高100億円という高い成長目標を掲げていることを、取引先や金融機関、求職者などへ対外的に示す手段の一つとなります。

なお、これによって実際に「採用力が向上する」「金融機関からの評価が高まる」などの効果があるかについては、今回確認した公式資料では定量的な効果は示されていません。


100億宣言の申請受付は2025年5月8日に開始されました。2025年8月25日時点では、3602件の宣言が掲載されています。

100億企業成長ポータルでは、宣言企業を地域・業種・売上規模などから検索でき、それぞれの企業が掲げた100億宣言の内容を確認できます。


100億宣言は、売上高10億円以上100億円未満の中小企業が「売上高100億円」という高い目標を掲げ、その実現に向けた具体的な取組を公表する制度です。

宣言企業には、中小企業成長加速化補助金、中小企業経営強化税制、経営者ネットワーク、公式ロゴマークの活用など、成長を後押しするさまざまな施策が用意されています。

特に中小企業成長加速化補助金では、補助金申請時までに100億宣言がポータルサイト上で公表されていることが要件となっているため、補助金の活用を検討している企業は早めの準備が必要です。

一方で、100億宣言の本来の意味は、単に補助金を利用するための手続きにあるわけではありません。

自社の強みや経営課題、市場環境を改めて整理し、「どのような事業・市場・投資によって売上高100億円を実現するのか」という成長戦略を具体化する機会として活用することが重要です。

経営ビューイングでは認定支援機関として豊富な実績とノウハウで、事業計画策定から申請手続き、採択後のアフターサポートまで一貫した支援を行なっています。

ご相談も受け付けておりますのでお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください


参考資料

  • 経済産業省「100億宣言を開始します」(2025年2月21日)
  • 経済産業省「『100億企業成長ポータル』をオープンしました」(2025年4月11日)
  • 中小企業庁「100億宣言」
  • 中小企業庁・中小企業基盤整備機構「100億宣言 公表要領」(2026年8月20日改定)
  • 100億企業成長ポータル「100億宣言 よくあるご質問」
  • 中小企業成長加速化補助金「3次公募 公募要領」(2026年8月20日)
  • 中小企業庁「中小企業経営強化税制」

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